丸山ワクチン

 

日本医科大学皮膚科教授の丸山 千里博士が開発した免疫療法剤です。
主成分はヒト型結核菌から抽出されたリポアラビノマンナンという多糖体と核酸、脂質です。

 

丸山ワクチンの歴史

1944年に結核治験薬として開発
1964年に癌(がん)治療の研究を開始
1976年に厚生省(当時)に医薬品製造承認申請
1981年に有償治験薬に指定

 

はじめは結核のワクチンでした

 

1944年太平洋戦争の最中に日本医科大学の丸山博士は、結核ワクチン
の研究に取り組んでいました。
当時、日本人の死因の1位が結核によるものでした。

 

結核のワクチンとしては、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホが1890年
に最初にツベルクリンを治療薬としてつくりました。

 

しかし、ツベルクリンは副作用が強く治療薬としては失敗でした。日本では
結核予防法により結核診断用のツベルクリン反応として2005年まで乳幼
児や小中学生に反応検査が行われていました。

 

丸山博士は、毒性の強いヒト型結核菌から有害物質のたんぱく質を取り除き
副作用のないワクチンをつくることに成功しました。

 

それが丸山ワクチンです。

 

 

丸山ワクチンが癌患者に有効

 

丸山博士が国立療養所多摩全生園(ハンセン病患者収容施設)に通って診
療を続けていた1956年秋に、ハンセン病患者が体内にライ菌を保菌し
ている間はがんの発生が抑えられていることを発見しました。

 

ライ菌と結核菌はともに好酸性の桿菌(棒状または円筒状の菌)であるこ
とから、結核菌抽出物質の丸山ワクチンががん細胞の増殖を抑制できると
考えました。

 

昔は癌患者には切除を主とする外科治療しかなかったのですが、ちょうど
その頃、抗がん剤という化学療法が登場しました。

 

薬物による化学療法はがん細胞と同時に正常な細胞も破壊してしまう副作
用があります。

 

丸山博士は全国の病院をまわりワクチンを使ってもらえる医師を探しました。
その結果、全国に広まり治験に協力してくれる医師も現れました。

 

その後、がん末期患者の回復や長期延命の効果など多数の声が聞かれました。

 

丸山博士はその後も実験を重ね、1966年にこのワクチン(SSM)を悪性腫瘍に
使用した場合、組織細胞の異常増殖を抑制する作用があり、副作用が全くない
のである程度有効かつ安全な抗腫瘍物質だとする論文を発表しました。