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麹、糀(こうじ)とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの微生物を繁殖させたものです。

コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々
な酵素を生産・放出し、蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し、生成するグルコー
スやアミノ酸を栄養源として増殖します。

コウジカビの産生した各種分解酵素の作用を利用して日本酒、味噌、食酢、漬物、醤油、
焼酎、泡盛など、発酵食品を製造します。

ヒマラヤ地域と東南アジアを含めた東アジア圏特有の発酵技術です。

漢字の「麹」は中国から伝わった字ですが、江戸時代には「糀」と記された書物もあります。特に米糀を指すものです。

 

 

麹の種類

餅麹(もちこうじ)

餅麹は、生または加熱した穀物を粉砕し、水で練って固めた後、カビを繁殖させて作ります。
中国、韓国など日本以外の東アジアの酒は、餅麹を利用して作られているものが多くあります。

撒麹(ばらこうじ)

加熱(主に蒸す)した麦などの穀物にカビを繁殖させて作る。日本酒や焼酎、味噌、醤油など
を作るために用いられます。

カビの種類は、コウジカビが主体であるが、用途によって種類が異なる。日本酒、味噌、醤油は
主に黄麹菌が主体であり、本格焼酎は白麹菌と黒麹菌、泡盛は黒麹菌が、が主体です。

 

日本の麹

 

米麹

酒に用いる米麹は、平成元年11月22日に、国税庁告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める
件において、「米こうじとは、白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させ
ることができるものをいい、特定名称の清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこう
じ米の重量の割合をいう。)が、15%以上のものに限るものとする。」と定められています。

豆麹

豆に麹菌を増殖させたもので、タンパク質が多いため旨みの多い味噌が出来上がるります。大豆
を使用した物は八丁味噌を代表とする豆味噌に用いられます。

麦麹

麦に麹菌を増殖させたものすが、そのままの状態では麹菌が増殖しないため精白処理と蒸しを施
します。日本では、麦焼酎、味噌、醤油の原料として用いられることが多く、米麹と比較し酵素
活性が異なるため、麦麹に特化した醸造技術が必要です。

 

 

麹菌の種類

黄麹菌

古くから利用されており、味噌、醤油、日本酒、酢、味醂などを醸す代表的な菌種です。 各醸
造に適した分類では、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの3酵素力のバランスにより決め
られます。 色素による分類では、純白黄麹菌、青麹菌なども存在します。

白麹菌

河内源一郎氏が沖縄泡盛黒麹菌からアルビノの突然変異体として単離した菌種でし。九州地方の
焼酎文化に貢献し、昨今の全国的、世界的な焼酎ブームは、この白麹菌によって広まりました。

黒麹菌

黒麹はオクラトキシンA産生能を持たない種で、一般にアワモリコウジカビで広く知られています。
古くから沖縄で泡盛の醸造に用いられてきたコウジカビです。クエン酸発酵が盛んで、もろみを
pH3程度の比較的強い酸性に保つことができます。

したがって、発酵途中での雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、比較的気温の高い地方でのアルコール
醸造に適しています。黒麹は、黄麹よりグルコアミラーゼを多量に含有しているため加熱してい
ない生澱粉を糖化することができます。

黒麹が九州地方の焼酎生産に広まったのは、明治43年頃河内源一郎氏が泡盛の黒麹を元に「河内
黒麹菌」(学名:A. niger var. awamori)を培養し、鹿児島の焼酎業者を技術指導した事による
ものです。それまで「黄麹」を用いて生産していた鹿児島の焼酎は、黒麹を用いることで歩止まり
を劇的に向上させました。

ただ黒麹には、.温度管理が難しいことやその胞子が持つ黒色色素が作業場を汚すことなどの難点
もあります。

大正13年に河内は黒麹の様々な問題を解決した「白麹」を発見しました。発見当時は、黒麹に
よる醸造が既に定着していたため劇的な置き換わりは起きませんでしたが昭和50年頃には殆ど
の焼酎生産現場で白麹が用いられるようになっていました。

その後、白麹菌から更なる突然変異株を発見して新種の黒麹菌培養に成功しました。昨今の焼酎
ブームと相成り、黒麹焼酎が増えています。

 

 

 

 

 

 

 

麹に含まれる酵素

前述の通り、麹とは米や麦、豆等に「コウジカビ」と呼ばれる一群の糸状菌を生育させたもので
あり、コウジカビが体外に分泌した酵素によりデンプン、タンパク質、脂肪などを非常に高い効
率で低分子化することができます。

アミラーゼ群

「アミラーゼ」とはデンプンを加水分解する酵素の総称です。デンプンはブドウ糖がα-1,4結合
やα-1,6結合で多数重合した多糖類ですが、ヒトは多糖類に対して甘味を感じることができません。

また酵母は多糖類をアルコールに変換することができませんが、デンプンの加水分解によって生
じるブドウ糖や麦芽糖をアルコールに変換することは可能です。

コウジカビは、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなど数種類のアミラーゼを
菌体外に大量に分泌し、米や麦などに含まれるデンプンをブドウ糖や麦芽糖など低分子の糖に分
解することができます。

プロテアーゼ群

「プロテアーゼ」とはタンパク質を加水分解する酵素の総称です。タンパク質はアミノ酸がアミド
結合で多数重合したポリペプチドです。

デンプンの場合と同様、ヒトは通常ポリペプチドに対してうま味を感じることができませんが、
ポリペプチドの加水分解によって生じるアミノ酸や短いペプチドに対してうま味を感じること
が可能です。

リパーゼ群

「リパーゼ」 (lipase) は、脂質を構成するエステル結合を加水分解する酵素群である。