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酵母について

一般に酵母とよばれる微生物は発酵をおこす菌類につけられた名称です。単細
胞性で、大きさは0.002ミリ~0.02ミリで、普通の細菌より数倍のサイズが
あります。

かたちはおおむね球形で、酸素のない環境では発酵をおこないます。また酸素
を供給すると好気呼吸をおこなって生育します。

増殖は細胞の一部が突きでる出芽とよばれるかたちですすみます。核が分裂し
てその一方が娘細胞へ移行して親細胞から離れます。

 

 

比較的栄養体になっている世代が長く、一部の酵母は培養条件によっては、細
胞が連結したまま長く伸びて糸状菌に似た菌糸をつくるものもあります。これ
を偽菌糸または仮性菌糸といいます。

このように酵母は、真菌ではありますが単細胞性の世代だけをもち、糸状菌の
ような典型的な菌糸をつくらない菌群にあたえられた便宜的な名称です。

酵母の種類は多く、現在、約40属、350種が知られています。代表的な酵母
としてはアルコール発酵酵母であるサッカロミセス・セレビジアエ
(Saccharomyces serevisiae)、病原性の菌種もあるカンジダ・アルビカンス
(Candida albicans)、通称、海洋酵母とよばれるロドトルラ・グルチヌス
(Rhodotorula glutinus)などがあります。酵母は栄養分に富み、実用的には発
酵工業をはじめ種々の食品工業で使用されている重要な菌種が多く、酵母から
種々の酵素が製造されています。

酵母による発酵の基本的な意義は19世紀末にL.パスツール(フランス)によっ
て実証され、次いで、H.ブフナー(ドイツ)が発酵は酵母の細胞内に発酵素(チマ
ーゼ)と名づけられた因子によっておこることを発見し、それが酵素という概念
の発端となって、生物を生化学的に研究する方向へと発展しました。

酵母はカビやキノコと同様に外部の有機物を利用してエネルギーを生産します。
正確には、有機物に含まれる糖をアルコールと炭酸ガスに分解してエネルギー
を得ながら成長・分裂をしていきます。これを発酵といい、酵母はその発酵過
程で生成されるさまざまな栄養素も吸収します。

酵母の栄養素

ミネラル

酵母にはカリウム、リン、マグネシウム、カルシウムな どが豊富に含まれてい
ます。これらは、血圧の調整や 神経伝達など、私たちの体を円滑に働かせるた
めに 必要な栄養素です。

アミノ酸

酵母には人間が体内で作り出すことのできない必須 アミノ酸9種類すべてが
含まれています。他にもグル タミン酸などうま味に関わるアミノ酸も豊富に含
まれています。

核酸

DNAやRNAなどの核酸は、細胞分裂をスムーズに行い、新陳代謝を活発にす
るために欠かせない栄養素です。酵母には、核酸の一種でうま味成分でもある
イノシン酸やグアニル酸も多く含まれています。

ビタミン

酵母にはビタミンB1・B2・B6、葉酸などのビタミン B群が豊富に含まれてい
ます。ビタミンB群は、食物から効率よくエネルギーを生み出し、疲労回復に
も役立つ栄養素です。

食物繊維

酵母の細胞壁には食物繊維の一種であるβ-グルカ ンやマンナンが含まれま
す。特にβ-グルカンは、 整腸作用のほかに、免疫機能を高めるなど様々な効
果が見つかっています。

ビール酵母による動物実験結果

① 妊娠時に起こりやすい鉄欠乏性貧血の改善に役立つ可能性があります
② 慢性疲労症候群の改善に役立つことが期待されます